ブラック&ホワイト

黒と白の模様を持つ猫はよく目立つ。なっちゃんが、なぜなっちゃんと呼ばれるようになったのか、その風体からは想像もつかない。むしろ、そのふざけた顔を見れば、ハチとかクマとかと呼ばれる方が自然じゃないかと、そう思うのは私だけだろうか。

いつもぼうっとしてゴロゴロ転がってばかりいるなっちゃんだが、それでも猫だから、ときおり勇ましい恰好をすることもある。

名前の由来はよくわからない。先代の黒白猫はとてもよくできた猫だった。風格があり、公園の入口あたりで、すっと首をあげて池を見渡す姿は威厳に満ちあふれていた。もしもここの猫の中でボスを選ぶとしたら、彼をおいてほかになかったろう。決して爪を出さず、つかず離れずの距離のとりかたがうまかった。それが去年、突然に姿を消してしまった。ずいぶんやせてきていたから、きっと虹の橋をめざして旅立ったのかもしれない。

一方のクロシロはその姿のとおりの名前。とりあえずつけられた名前がそのまま定着したようだ。昨日、そっと近づいてしっぽの傷の部分をみると、いっときよりも乾いてきている。気持も落ち着いてきたのか、顔つきも変わってきた。丸めることもできなかったしっぽを丸めていた。もう、ここで生きていくしかないのだと覚悟を決めたふうな、そんな様子でうたたねをしていた。

少し離れた水辺では、クロシロが昨日狙っていたカモの親子があいかわらず危険もかえりみずのんびりとくつろいでいる。こちらもたいしたものだ。

今日は激しい雨が降るという予報。ここの猫たちにはつらい季節が続く。植え込みや草むらや木の下に身を寄せても、降り続く雨は容赦がない。