ぼくは、もうじき25歳

 

20歳ごろから徐々に筋肉が落ち、24歳になるころには、とても小さくなってしまったマロン。このぬいぐるみが大好きで、いつもそばに置いていた。プリンがいたときには、プリンにくっついて寝ていたから、きっとなにか代わりのものがほしいだろうと思い、そばに置いてやったら気にいったようで、水分補給の皮下点滴をするときにも枕にしていた。


ほとんど眠っているようになっても、台所に私が立つと、ちゃんと起きてえさをねだる。魚を焼いていると騒ぎまくるのは相変わらずだった。そして食べたあとは、こたつのまわりをぐるぐると歩き回った。まるで歩けなくなるのを怖がっているみたいだった。

天気がよいときには外に出たがるので出してやると、家のまわりを一周する。自分の縄張りの確認も怠らなかった。左前脚が悪くなり、歩くたびにヒョコタンヒョコタンと体が上下し、腰も振れるが、それでもゆっくりと歩く。おそるべき24歳。

一年前にはまだこんなふうにしっかり立っていられたが、しだいに立つのもしんどくなってきたらしく、トイレに行くのも大変そうだった。25歳まであと半年というあたりで、失敗が多くなったので、ついにオムツをすることに。誇り高きオス猫だからいやがるかと思ったら、案外すなおで、つけたまま。それでも、オムツをしている意味がわからないらしく、したいときにはトイレの近くまで行った。

今年の正月、ふざけて帽子をかぶせてやったら、ごきげん斜め。「なにさらすんじゃ」って顔をする。おれ、怒ってんだぞって言いたげだが、でも、かまってやると喜んだ。いつのころからか、私がそばに行くと必ずモソモソと寄ってきて、私の太腿に体を預け、気持ちよさげに眼を閉じるのが習慣になった。

けれども、まだぼんやりとみえていたらしい眼が急速に悪くなってくると、動きも悪くなった。ついに下半身が動かなくなると、前脚だけでいざるようにして、見当だけで動くものだからあちこちにぶつかる。それでも水も飲み、えさも食べ、トイレも行った。

ときおり、ぽつねんと、横ずわりをしたまま、空をみつめているようになり、5月なかば、マロンはプリンが待っている場所へと旅立った。その2日前、もう体も動かないはずだったのに、外から帰ってくると玄関マットの上に座っていた。居間にいたはずなのに、どうやって動いたものか、昔のように出迎えようとして最後の力をふりしぼったのかもしれない。

今頃はまた二匹して、くっついているのかもね。あとひと月ちょっとで25歳だった。長いこと支えてくれてありがとね。おまえはほんとにすごい猫だった。

 

 

 

 

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