池の湖面には、たくさんのカモメが飛び交うようになった。
こんな季節にも、けなげに咲いている花がある。
かかしのダンス(みんな笑って立っている)
海沿いの公園には数匹の猫たち。海からの風はきついけれど、日差しを求めて出てきて、けっこう人懐こい。近づいても逃げない。餌をほしいのかもしれない。近くの茂みには簡素な箱。きっとどこにでも、猫を思い、胸をいためている人はいる。
丘の上のチビとまる子は、今日は誰かほかの人に餌をもらったらしく、ほとんど食べなかった。
それでも、水を取り替えたり、チビのお腹のおできの具合をみたり。なにかの虫に噛まれたのかひどく腫れていて、2、3日、薬を餌に混ぜて飲ませていたら、腫れがひいてきた。そして、まる子の持病のお尻の様子をみたりと、案外忙しい。一連の作業を終えてブラッシングをしてやっていたら、そばを通りすぎた男の人が、「おれもここの猫になりてえなあ」と言って笑った。
丘の道のモミジも紅葉し、今日の富士山もピンクに染まっていた。
空も茜色
せつなくなるような夕焼け。私の人生もたそがれていくところだけれど、宮沢賢治や猫たちを見習って、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、毎日、丘まで登る。
丘の上で犬を放す人に注意をしてくれたり、まる子のことをかわいがってくれたりしていた人の姿をみなくなってから一年たつ。去年のちょうど今頃、突然に姿をみなくなった。人って、ほんとに一期一会。でも、しばらく会わなかった人にひさしぶりに会うこともある。なんだかうれしい。