久能山東照宮は、きつい石段を昇った先にあった。圧倒的な財を持って建立されたことは、一目でわかる。
龍と獅子は、邪悪なものを追い払うためなのだろう。鮮やかな色の組み合わせがなんとも素敵。そして繊細。
正直なところ、学生の時には歴史や古いものが苦手だった。でも、先生がよく言っていたことを、このごろになってしきりに思いだすようになった。
流行はすぐにすたれるけれど、古くてもいいもんはむしろ輝きを増してくる。という言葉だ。
こんな細工やデザインを考えた人たちは、やっぱりその道のトップ集団だったんだろうなあ。
唐門には、唐獅子牡丹。話はとんでもない方へと飛ぶが、ふっと、高倉健の主演した任侠映画、「唐獅子牡丹」を連想。なにしろ私は、任侠映画にはまっていた兄についていき、よく映画をみていたから。凄みのある男たちはかっこよかったが、今ではみんな彼岸の人だ。
唐門の横には、一角の獅子。金色に輝いている。輝きも迫力も半端ない。
境内を取り囲む玉垣にも、生き物や草花の細工。どれほどの技と才能がここに集約されたことだろう。そしてこれらは、ずっとずっと残っていくもので・・・。
でもあまりにどれもこれも豪華すぎて、少しくたびれてきた眼には、境内の紅梅は、一服のお茶のように清々しかった。
そして、降りて行った下のほうの建物の縁には、こんなものも。意外な組み合わせで、ちょっと驚いた。静岡は、プラモデルの聖地なのだそうだ。
夕方にはチビまる子のところに行くので、遠出はできなくなったが、でも、近場にもなにか発見があって、面白いこともある。
暖かい部屋でコーヒーなど飲みながら、グダグダしてるのはこの上なく心地よいが、たまには北風に吹かれてでかけてみると、なにかしらご褒美をもらえる気がする。