写真はクリスマスローズ
三毛子の保護作戦は失敗。
三毛子は知能犯だ。夕方帰宅すると自宅近くでうろうろしているので、これはと思い、餌を玄関に置き、おびきよせるが、かなりノラ化しているようで、明りがついていると中には入らない。明りを消して気配を消しているとようやく入ってくるものの、少しでも物音がすると瞬時に出て行ってしまう。
そうしてまた戻ってくるときには、いつも一緒にいるグレイの猫二匹と連れ立ってくる。団体戦だ。三毛子一匹だけの保護は当然難しくなる。
歌川広重 作
三毛子のあとをついてくるグレイの二匹(ロシアンブルーのような感じ)は、親子なのかきょうだいなのか、そっくりの風体。よくみるとメスで、避妊手術の目印であるカットはされていない。
三毛子がいる家の庭にはほかにも猫が数匹出入りしていて、全部で7~8匹はいるようだ。そのお宅の年配の主婦と話をしてみたが、猫の数も知らないし、昔はともかく、今は餌はやっていないという。庭が広くて日当たりがいいので、猫がいついてしまうという。このままだと猫がどんどんふえてしまうのは眼にみえている。
市役所の話だと、避妊手術の補助は一匹あたり4千円だというが、メスの避妊手術料は2~3万円だという。
ほかに方法がないのでしょうかと尋ねると、応対してくれた方は、まず地域猫の会を作り、地区の自治会長や町内の組長(まわりの組も含めて)の了承を経て、回覧板に地域猫活動のチラシを折り込んでもらい、地域猫という存在を地域全体に知らせるようにすれば、個人の負担はなくてもすむという話をした。
道は遠いなあと思っていると、応対をしていた人は、自治会長に電話をかけてみましょうかと言ってくれたので、少しほっとした。
そんな方法もあったのかと納得したが、それを一人でやりきるのは相当に大変なことだし、もたもたしているうちにまたふえてしまう。協力してくれる人を探してみることにした。
とりあえず、これまでエサをやってきたらしい人や三毛子の避妊手術をしてくれたらしい人たちに話を聞いてみようと思っているが、どれもこれも、らしい、ということばかりで、確かなことはなにもわからない。
単純に三毛子の保護を考えていただけだったのが、気づくと、こんなことになっている。知恵も戦略もないままに走り出す悪い癖が出てしまった。
チビのしあわせ
ノラ猫を嫌う人は多い。でも、彼らだって日の光や風を感じ、食べ物を探し、必死に生きていこうとしているんだってことを、感じてほしい。排除するのではなく、共存できればいいんだけどなあ。力のない自分と、なにかをしてやりたい自分との間で揺れ動くばかりだ。
まる子のベッド
丘の上のチビまる子は、今では、猫好きの人たちにとっては、ちょっとしたアイドル的な存在になった。今日も、「チビとまる子の姿がみえないときは寂しいよ」と言いながら通って行く人がいた。