ひさしぶりに富士山が顔をみせてくれました。なんだかとても幽玄です。昨日はひどい雨で、頭からシャワーを浴びたみたいにずぶぬれになってしまいました。

さいわい、チビもまる子も雨をしのぐ場所にいてくれて、探さずにすみました。傘をさしていてもしぶきがあたり、ごうごうと音がするほどの雨でした。こんな日はこれまで何度もありましたが、チビとまる子の元気な顔をみるとほっとして、えらいね、よくがんばったねえ、とほめてやります。

そんな昨日のどしゃぶりが嘘みたいに、今日はからっと晴れて、いい天気。猫たちも上機嫌で、ごろごろと喉を鳴らしながら、思い思いの場所で、丘を渡って行く気持ののいい風を楽しんでいました。空も、まるで秋を感じさせるような雲が広がって、つかのまのさわやかさ。明日からはまた雨が続くそうです。

草刈りもようやく始まったようで、少しほっとしました。蛇も出るし、ダニや蚊もたくさんいるし、怖いのは、雨や雷だけではないのです。

【チビがちょっかいを出しているのは、おとなしいけれど猛毒があるヤマカガシ。気づかずに、すぐそばを通っていたことがある。きれいな模様が印象的だ】

それでも、4年近く続けてこられたのは、たぶん、餌を食べたあとのチビまる子が、甘えたそぶりをみせたり、くつろいだりするのをみるからでしょうか。

今日、ひさしぶりに富士山をみながら、そばに猫たちがねそべり、風を感じているとき、ふっと、幸せを感じました。とりたてていいことがあったわけでもないけれど、ここにくると穏やかな気持になれるのは、きっと猫たちからのプレゼントかもしれません。

家ではこんな風にして、三毛子も楽しませてくれます。少しずつですが、触れられるようになってきました。

夜になると、満月に近い月が出ていました。満月の夜に願いをかけるとしたら、三毛子のことでしょうか。人との付き合い方も甘えかたも知らない三毛子をみていると、自分の子供のころをみているようで、いつか抱きしめてやれるようにと思うのです。

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