今日は雨がふったり急に晴れたりと落ち着かない天気。そのせいか、いつも庭を横切る猫たちの姿もみえない。
退屈そうな三毛子に、ライオンのぬいぐるみをさしだしたら、これ、なに、という顔でしばらく様子をうかがったり、匂いをかぎまくったりしていた。
そのうち、ライオン君を相手にタッグマッチが始まった。たぶんほかに猫がいたら、きっとこんなふうに組んずほぐれつしながら、遊ぶんだろうなあ。そう思っていたら、だんだんエスカレートしてきて、おいおいもう少しおてやわらかに、と思うような動きになった。
あれほど夢中になっていたチェーンジャラジャラ遊びにも飽きたのか、三毛子は退屈そうだ。やっぱり、友達がほしそうだなあ。
公園の木々や花々も、秋の準備にとりかかっているようだ。セミの声が弱くなり、命を終えたセミたちがあちこちに落ちている。
これは、坂道に咲いている花? 実?
何かが眼の前を飛んだ、と思ったら、草むらに見慣れない鳥が舞い降りて、聞いたことのない鳴き声をあげた。
そして秋の七草の一つ、オミナエシが古墳の丘の斜面を彩っている。
これは、個人の方が植えたものだそうだ。リュックに花の根株を入れて少しずつ運び、あづま屋の前の急斜面に移植したのだそうだ。池のまわりに花があるのも、ボランティアの人たちの力だという。
草ばかりの斜面にひときわ明るい花があるのを、私はこれまで自然に生えたものと思っていたが、事実を知って、なんだか頭の下がる思いがした。きつい坂道を50株ずつリュックに入れて運び、800株にしたというのだから。
このことを教えてくれたのは、やっぱり花好きの人。自宅だけでなく、学校や公園の花づくりをしている方だ。
オミナエシのほかに吾亦紅もあるのだと知って探してみたが、みつからない。私はシンガーソングライターの杉本真人さんが歌うワレモコウという唄がとても好きで、聞くたびに涙が出てきそうになる。
古くても、いいものは滅びない。私も、今はすでにいない母や父に謝りたいと思うことがいくつかある。