大井川鉄道HPより
失ったものは戻らないんだ! 竈門丹治郎
一つのことができれば、万々歳だ! 我妻善逸の師匠、じいちゃん
きっと君ならできますから 胡蝶しのぶ
恥じるな、生きてる奴が勝ちなんだ。宇髄天元
鬼滅の刃、「無限列車編」を見に行ってきた。平日の午後とあって館内は空いていて、コロナ対策もしっかりとられていた。
「無限列車編」には、私の好きなキャラクター、我妻善逸も出てきたが、テレビで見た「那田蜘蛛山編」のときほどの活躍はなく、ちょっとがっかり。なんでも我妻善逸は、あいかわらず人気キャラクターの投票で1位だという話。やっぱりなあと思う。
大井川鉄道HPより
人気の理由はいろいろあるだろうけれど、あのキャラクターは、女性にとっては、母性本能を刺激するタイプなんじゃないかと思う。なにをしても憎めない。いわゆる、かわいいやつなんです。
ちょっとドジで、頼りなげ。だが、いざというときには、強力。そういうのが眼の前に現れたら、もうたまんないだろうなあと、年甲斐もなく思わせてくれるのだ。不器用な善逸に師匠がいう言葉もまた、いいんです。
一つのことしかできないのなら、それを極めよ、極限まで磨け
機関車トーマス、2019.7.13日撮影
でも今回は、やっぱり炭治郎だった。「魘夢(えんむ)」という鬼に、乗客はみな楽しい夢をみさせられ、眠っている。そして夢をみているうちに、食べられてしまうという。丹治郎もまた、家族が生きていて幸せだったころの夢に囚われているうち、これは罠だと気づくのだが、楽しい夢から覚めたくない気持が覚醒の邪魔をする。
笑い声に包まれた夢の世界から現実に戻ろうとする丹治郎に、母や幼い兄弟たちは、置いて行かないで!と引き止める。背を向ける丹治郎の足が止まる。そして、必死にこらえて走りだす。
「失ったものは戻らないんだ!・・・・」と叫びながら。
失ったものは戻らない。頭ではわかっているつもり。だが、なかなかパキッとはいかない。失った過去へと眼を向けがちになる。
それって、まさに、「過去」という鬼に時間もエネルギーも食べられるということ。鬼は自分の中にあるしれない。
鬼滅隊の柱の一人、煉獄杏寿郎の迫力はすごかった。切っても切っても再生する鬼、「猗窩座(あかざ)」と力のかぎり戦うのだが・・・。あともう少し、というところで力つきてしまうそのとき、子供のころに死んでしまった母親が現れる。そして、杏寿郎をほめてくれる。
弱き人を助けることは、強く生まれたものの責務です。
杏寿郎は幼い頃、母に、そういわれて育ち、その約束を果たしたからだ。乗客の中から一人も犠牲者を出さなかった。
鬼滅の刃に出てくる言葉は、どれもストレートで堂々としている。回りくどい所がなく、ストーリーにカチッとはまる。心に訴えかけてくる。
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと・・・心を燃やせ。
かぼそき炎であっても、胸の中にくすぶっている煙は炎にしてあげましょう。
きっと君なら、できますニャ。