八つ葉のクローバー

四つ葉のクローバーはよく聞くが、八つ葉のクローバーというのは初めてだった。昔の友人がひさしぶりに訪ねてきてくれて、富士山が見える見晴らし台で、お土産があるとと言いながらリュックの中をゴソゴソとかき回してとりだしたのが、これだ。

半信半疑でかぞえてみると、たしかに、葉っぱは8つある。彼は、ときどきふらりとどこかへ行ってきたという話をしている。今度は鹿児島まで行って、日本百名山の一つに登ってきたという話をしていた。

以前にここで見つけた4つ葉のクローバーを私がブログにあげたのをみて、よし、もっと多いやつを探してみようと思ったのだとか。きっといいことも倍だね! 元気が出てきたみたい。

きのうの富士山はこの季節にはめずらしく、夕日にきれいに染まっていた。

ひさしぶりの再会に、富士山がご褒美をくださったのかも。だって、坂をのぼるときにはまだ、雲に見え隠れしていたのだから。坂を上ったところで、ハイキングコースから出てきた彼とばったり出会って、びっくり! 彼はよく人を驚かせるやつなのだ。

昔々、彼とはほかの人もまじえて山登りをしたことがあって、帰りに立ち寄った食堂で頼んだ刺身定食で食中毒を起こしてしまい、えらいめにあったのだった。そんなこんなで、結構、因縁のあるつきあい。ずっと、年賀状程度のつきあいだったが、私たちが静岡に来てからは、彼の家も静岡ということで、たまにまた会うようになっている。

これまでも、古墳の丘へチビまるこの餌やりをしに行くと、突然にあらわれては、少し話をして帰るということがあり、ほんとうにいつも人を驚かす人だ。夫とも昔馴染みなので、会うと一瞬で、みんな、その時代に戻れる。

きょう、彼は早めについたので、清水山へとつづくハイキングコースを歩いてきたのだという。いつも、チビとまる子が待っている坂道の曲がり角のところでタイミングよく出会った。なにしろ、前触れもなくあらわれるので、毎回、驚かされる。

チビとまる子は、なんかいつもと雰囲気が違うよなあ、という顔で、私たちを眺めていた。

暑い暑いと言いながらも、やっぱり秋。近くの草むらでは羽がボロボロになった蝶が、羽を休めていた。この夏を生ききったんだね。ゆっくりと休んでね。

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