日に日に富士は、白く、そして赤くなる。夕方のほんの一瞬の赤。富士が白さを増せば、赤もきわだってくる。
丘の上の木々も、赤く赤く、今年を見送るように染まっている。
秋も、もうおしまいだよ、と言いたげなケヤキの木々。そこに大きな木があることで、なにか安心だ。樹木の精霊たちも一休み。来年の芽吹きまで。
今日は、ほかの猫たちにもたくさん会った。
相棒をなくしたtwinsの片方の猫。近所のお宅の軒先でお昼寝中だった。ずいぶん大きくなって、元気そうだ。よかった。先日、防災訓練に参加したとき、家なき猫たちの世話をしているという人の噂を聞いた。優しい人も冷たい人もいて、猫たちはきっと、アンテナを張り巡らしながら歩いているのだろう。
公園で、いつもとは違うルートを歩いて行くと、藤棚の奥の方にいる猫たちが、ちょうどごはんの時間だった。ボランティアの人に、やっばりヒジキはくっついている。二匹とも、ボランティアの人に甘えて、ほっとしているような、やわらかな顔になっていた。
ひじきは、あづきを、いつも思いやっている。じっと待っている。兄貴分は辛いな。
そばの水辺ではおとなのカモたちが、コガモを取り囲み、見守るようにして泳いでいる。
白と青のツートンカラーのゴイサギが、それをじっと上から見ていた。
滝の所まで行くと、そろそろごはんの時間だよなあ、という顔で、もみじが茂みから出てきて、キョロキョロ。あづきとひじきの場所が終わると、ボランティアのお姉さんは、ひじきのところへとやってくる。この猫の模様はとても複雑で、おもしろい。ここで生まれた猫で、母親の名前はきなこ。だいぶ前に亡くなった。
そのそばで、うーうーうなっていたのが、鍵しっぽの茶トラ。だれかれとなく餌をねだっては出てくる、くいしんぼうな猫。
そしてその近くにいて、いつも牽制しあっているのが、姫。こうみえて、けっこう筋肉質で、ご飯がおわると急な崖を登ってどこかへ消えていく。
そうして上で待っているのが、チビまる子。
お得意の、スリスリポーズのまる子。そばでチビは、あたりを見張っている。まるで、オスの役目だとでもいうように。。
今日は冷たい風が吹き荒れた昨日にくらべれば、少しましだった。昨日はひとりだったせいか、まる子はひさしぶりに木に登って大サービスしてくれた。帰りの坂道では、煌々とした月がいっそう肌に冷たさを感じさせた。
12月2日撮影の月