古墳猫

出会い

家の近くに、かなりの広さの公園がある。丘の上には古墳がいくつもあり、見晴らしがいい。そこに捨てられていた猫が三匹の子供を産み、一匹だけが生き残った。やせこけた母猫のそばで転げまわっている子猫。そばには人間の残飯が投げ捨てられて、虫がたかっていた。

その猫たちに関わったら面倒になるのはわかりきっていた。自分の家にも22歳の老猫がいて、これがとても手がかかり、大変な思いをしていたからだ。なので、みてみぬふりをきめこんでいた。

    我が家の猫マロン 山形で生まれ、大阪、静岡と、生きてきた。
なのに、関わってしまったのである。母猫に避妊手術を受けさせたいので手伝ってくれないかと、散歩でよく出会う人に頼まれて断わることができなかった。それがもとで、結局は術後のえさやりをすることになった。

それから2年と半年、やせこけていた母猫は丸々として、子猫も精悍なオス猫になった。天気のいい日、丘の上からは富士山がみえる。私のそばで、猫たちは一定の距離をとりながら、草むらを駆け回ったり、のんびりと毛づくろいをしたりする。「富士山と古墳と猫」なのである。なにか特別な感じがするところで、私はまったりとした時間を過ごしたあとで、下界へと降りてくる。怖れていたとおり、やっぱりハマってしまったのである。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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