東洋のアルカディアといわれた長井市の風景。朝方、盆地に霧が立ち込めると、町が池の底に沈んでいるようにみえる。(写真は市のホームページより抜粋)
毎年、この時期になると、山形からサクランボが届く。山形県の長井市を離れたのは、もう20年近くも前。そのころに知りあった人たちとも、いつしか音信がとだえてしまったが、あべちゃんからは、年に一度、おうい、元気だがや、という感じでさくらんぼが届く。さっそくお礼の電話を入れると、なつかしい山形弁が聞こえてくる。
長井市観光案内より抜粋
今頃の長井市は、市内のあやめ公園のあやめが咲きそろっているころだろう。そして田にも畑にも緑が青々と茂り、たぶん、一年で最も活気づく季節だろう。長井に移り住んだときからかぞえてみればもう、30年近く。いまだに気にかけてくれるなんて・・・。
あべちゃんも猫好きで、お邪魔するといつも猫が数匹駆け回っていたが、ついに最後の猫も亡くなってしまったよ、といって、さびしそうだった。でもハーレーダビッドソンに乗っているそうだから、今頃はきっと、どこぞを走り回っていることだろう。
これはハーレーではないが、京都でみかけたすごいバイク
あべちゃんに「元気だがや」と尋ねられ、元気元気と答えたが、ここのところ、疲れが出たのか病院通い。そのせいか、これまでは眼にもとめなかったものに眼がいくようになった。近くの神社に、茅の輪くぐりというものがあるというので、寄ってみた。
参道の中央にしつらえられた萱で作った大きな輪は、茅の輪(ちのわ)という。
8の字を描くようにくぐりぬけると、厄よけになる。誰もいない雨の朝の参道で、輪っかをくぐって8の字を描いて、それから、お参りをした。
昔、祖母は、あちこちの神社の祭りにでかけては、おふだをもらってきた。まわりからみると、変わり者だった祖母は、寝たきりになってからも、集めたおふだを柱や壁にところかまわず貼りつけていた。祖母にいいつけられて私も貼ったが、なんだかその部屋には、異様な空気が漂っていた。
こちら蓮華寺公園のあやめは、長井のあやめとはえらい違いで、すっかりくたびれた感じ。池は蓮の葉に覆われている。
坂道の途中には、どういうわけか、花が散ったシャクナゲの木にツツジが花をつけている。しかも一つではない。どうゆうこと?
そして、チビとまる子は、食後はなにやら探しものに夢中だ。
探しものは、なんですか? まだまだ探すつもりですか? 井上陽水の歌が出てくる。たしかになにか探しつづけてきた気がするが、はて、なんだったっけ?
遠くには、鯨のような雲。雨は明日も降るようで・・・。