満開ヒマラヤザクラ

この冬のさなか、桜が咲いていた。しかも満開。ヒマラヤザクラという名前の品種。例年11月から12月にかけて咲くという。ヒマラヤという名前がついているところをみると、寒いときにも咲くという意味だろうか。

焼津市の高草山の中腹あたりに咲いている。いつも行く公園の丘からもみえる山で、車がすれちがえないほどの細い急坂を登って行くと急に視界が開け、この花が咲いている。花の下に入り、みあげていると、よく晴れた空に吸い込まれそうにな気分になった。ふわあっとしてきて、このところ下がる一方だったエネルギーが、じわじわと満たされてくるのを感じた。

山の中腹から眺める眼下には、太平洋が広がっていた。

のぼってきた坂道の脇には、ミカンがたわわに実っていて、思わず手を伸ばしたくなるほど。

あっちもこっちも、見事、というほかなく、べつにふだんとなにも変わることもないのに、気ばかりせいてくる年末に、ほっとする時間が広がった。

そのまま帰るのがもったいないほどの天気なので、帰り道、坂を下って行く途中で、ひっそりと、まるで隠れ里のように家が点在する集落のほうに向かった。ヒマラヤザクラのそばでやはり写真を撮っていた人に、そこに、現役の水車小屋があるという話を聞いたからだった。

くねくねした細い道をたどって行くと、水車小屋はあったが、動いてはいない。水の通る道や建物の中の杵などがきれいに整備されているのをみると、季節によって動いているのだろうか。細くくねった道沿いの家々はどれもひっそりとしていて、人の気配はするのに動きがない。なにか、外の空気を拒んでいるような里にみえた。

ちかごろ、すっかり気力レベルが低下していたが、満開のヒマラヤザクラにエネルギーを充填してもらい、夕方は蓮華寺池公園へ。カモの潜水

いつもより足どりも軽くなり、歩いていると、あれっ? ワンコがじっと立っていた。

おうっ! と思わず声をあげて通り過ぎようとすると、ほかのワンコたちも興味深げに集まってくる。犬にとってもきっとめずらしいんだね。

坂道では、ひさしぶりに姫から餌をねだられ、丘の上まで行くと、こちらはあまり食べずにころころと毬みたいな体で転がっている。

いつもの夕暮れだが、満開の花のおかげで、いつもよりも気持が晴れやかだった。植物は動くことができないから、そこがどんな場所であれ、芽が出たところで生きるしかない。そのせいか、放つオーラは強力だ。我が家の庭でも、かぼそいながら、冬を越そうとしている植物たちが息づいている。

 

 

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