相棒

静岡の冬は、それまで住んでいた大阪や山形にくらべると、格段に穏やかだ。なので、気軽にでかけやすい。

だいぶ前のことになるが、東名高速を走っていたとき、裾野がきれいにのびていく富士が迫ってきた。サービスエリアに入ると、催事の最中で、人気のテレビ番組の出演者のシルエットの看板があった。

「相棒」のシルエットの手前にあるもう一つのシルエットは、私と私の相棒。気のおけない友達みたいな相手だが、喧嘩もよくする。そんなとき、プリンとマロンは、ほんの小さなころから、まるでやめろというように怒りの声をあげたものだ。

今ではもう、二匹ともいないけれど、そのかわり、丘の上に行けばチビとまる子がいてくれる。

チビとまる子に出会ってから、いつのまにか、二年と3カ月がたち、初めのころとは二匹の対応も変わってきている。なによりも、チビが慣れてきたことが大きな変化だ。初めは餌を食べるときにもたえずビクビクし、少しでも近づくと飛びのいていた。でも、このごろは、撫でられることにも慣れて、ほんの少しだが、ゴロゴロと声も出すようになった。身長もまる子をしのぐほどになり、二匹は親子というよりも、たがいに相棒のような存在になっってきた。

テレビ番組の「相棒」は、あいかわらず人気のようだ。そんな看板のそばで、ちょうどアマチュアのバンドが演奏をしていた。昔、はやっていた曲ばかりで、思わず興奮。ときどきこのサービスエリアで演奏をしているのだという。

とても寒い日だったが、ガンガンのエレキギターとドラムが寒さなんか吹き飛ばし、しらずしらず体が動いていた。懐かしい歌は一瞬にして、時間を巻き戻す。気持だけは、あのころに戻っている。

いろんなところに住んできたけれど、どこに行っても感じるのは、そこにしかない独特な空気だ。たぶんそれは、そこに住む人たちの息遣いのようなものだ。

このワンコたちも、いい相棒なんだろうなあ・・・。だって、この楽しそうな顔を見れば、一目瞭然だもの。

こっちの相棒も、もう長年のつきあいだ。

静岡にきたばかりのころは、庭にバラを咲かせて楽しんでいた。植物もまた、私にとっては、暮らしの相棒だ。

 

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