古墳の丘で暮らす猫たちは、木登りが得意。というか、そうせざるをえなくなったというか・・・。
よくイノシシが出没するからだ。猫はたしかによく木に登るけれど、ここの猫たちの木登りときたら、それはもう、半端ではない。おそろしく高いところまで登り、細い枝のぎりぎりまで移動もする。はたして降りられるのかと心配をしながら見上げている私を小馬鹿にするように、自慢げな顔で私をみおろしている。
そのまま見守っていると、枝をしならせながら太い幹まで戻り、そのあとは木肌に爪を立て、後ろ向きに上手に降りてきて、途中からはジャンプ。なんとも見事なのだ! 私はそれを見たいがために餌やりを続けているといってもいいくらいだ。
1300年くらい前に造られたという古墳群の丘には欅や楠の大木があり、その下に置いてある石の上で猫たちはくつろいでいることが多い。古墳の丘へと続く坂道は、ウォーキング好きの人には恰好の場所らしく、いろんな人が丘の上まで登ってきては通り過ぎて行く。猫好きな人は彼らの姿を見ると話しかけてきたりもするが、猫嫌いな人は私をにらむようにしてすれちがう。いろんな人がいて、おもしろい。