トラ猫

古墳の丘で生まれ、一匹だけ生き残ったトラ模様の猫。初めはいつも、ビクビク、オドオドしてばかり。餌をあげるときにも母猫がいなければ決して寄ってはこなかった。ようやく近くにきても、こちらが少し動いただけで逃げていた。

それが少しずつ少しずつ距離が縮まってきて、今では母猫がそばにいないときにも餌を食べるようになり、体を撫でさせてもくれるまでになった。

そしてトラの模様のオス猫は、反射神経と運動神経が抜群だ。たぶん猫の中でも群を抜いている。草むらを走り抜けるその姿は、まるで野生のトラそのもの。木に登るのはもちろん、飛んでいる鳥をジャンプして捕まえる。

猫なのに、トラみたいだ。古墳の丘を飛ぶようにして走るその姿は、ほれぼれするほど凛々しくて美しい。

 

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