初秋の庭

朝夕は、ようやく涼しくなってきた。近所のお宅を訪ねると、桔梗の花が、桔梗の形の白い器に浮かべてあった。涼しくなったとはいっても、まだまだ日中の日差しはきつい。そんななか、ふっと、涼しい風が吹いていくような気持になった。

庭に敷いてあった煉瓦を割れ石に取り替えて、猫の形の石もあるよ、というお誘いに乗って行ってみると、確かに猫の形。わあおっ!

それで、さっそくに、ちょっと猫らしく、私なりにいたずら書きをさせてもらうことにして・・・。

何となく、三毛子に似せてみたつもり。隣りは、三毛子のお母さんのような気がする茶トラの猫。

彼女は公園の花作りも手がけていて、公園の雑草がきれいに取り除かれているのをみて訊ねると、なんと広い公園の草むしりを一人でなさったという。この暑いさなかに、なんとまあ、すごい。世の中は目立つことをする人ばかりをとりあげるけれど、きっとこんな人たちに蔭で支えられているんだろうなあと気づかされた。

さて、自分の家の、庭ともいえない庭を眺めてみるに、まあ、なんとも荒れ放題。それで、草むしりをしていたら、えっ、三毛子が庭にいるではないか。なに、これ。そう思って窓をみると、網戸があいていた。涼しくなったから冷房をやめて網戸にしたばかりだった。

いつもいつも窓の外を眺めていたから、いつかは、と思っていたが、ついに三毛子は脱走した。庭を一回りしていると思ったら、ふいに姿をみせなくなり、なかなか帰ってこない。ときおり不安になるのか、庭に戻ってくるが、家の中には入らない。またとじこめられると思うらしい。

おなかがすくと、ようやく中に入ってくる。とりあえず、しばらくはこのまま様子をみることにした。隣りの家のモモちゃんとおっかけっこをしたりあちこち探検したり、半年も外に出ていなかったわりにはおちついている。

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