市内の山あいに大旅籠柏屋というところがあり、当時の宿場宿の様子が再現されている。雛祭りの季節とあって、等身大の雛や御殿雛も飾ってあった。
等身大のお雛様。ビッグ! 迫力がある。眼にはガラスが入っている。夜になると光って、存在感がすごいらしい。
前に座っている二人は、弥二さんと喜多さん。
上から見ると、人形たちがどんちゃん騒ぎをしているみたいだ。人形の全員が揃い、お披露目とあいなったのは50年ぶりということで、ひさしぶりに会ったお祝いをしているようにみえる。
東海道の宿場町だった岡部宿。そこにあった柏屋という大旅籠はずいぶんとにぎわっていたという。
当時の暮しのジオラマもあった。
等身大の人形とは趣ががらりと変わる御殿飾りの御殿の前には、牛車や籠の行列。その時代の典雅な様子を彷彿させてみとれてしまう。衣装の一つ一つ、従者たちの動き、建物や道具の細やかさ。どれをとってみてもリアルで美しい。見入っていると、まるでいにしえの世界に自分も入って眺めているような気持になってくる。
真ん中の御殿の中、御簾の奥にはお内裏様とお雛様。高貴な方なので、なかなかお顔ははっきりとみることができず・・・。
ほかにも、かわいらしい雛や歴史ある雛も並んでいた。
お内裏さまは、昔は右側だったそうだ。このお雛様の顔はとても上品だった。
庶民が泊まる宿であった柏屋の隣りは、大名などが泊まる本陣だった。消失し、いま残っているのは、敷地跡だけだ。
まわりには、白壁の蔵。斜めに格子模様が入った壁は、今ではめずらしいというなまこ壁。
当時、実際に使われた籠。こんなに小さな籠に座り、何時間も揺られるのはさぞきつかっただろう。昔の人たちは忍耐強かったんだなあ・・・。
夕方に行った公園ではこぶしの花が咲き、丘の上では今年初めて鶯の声がした。
まる子にも、鶯の声はきこえているみたい。