しあわせの青い鳥

「あっ、あそこに青い鳥がいるよ!」といって、水辺の対岸の木の枝を指さす人。思わずそちらを見ると、ほら、そこ、と彼は背中を押した。対岸の木の枝がかすかに揺れている。カメラを向け、望遠でみると、たしかに青い鳥だ。

その人も、スマホを向けて撮影していた。そうして、「青い鳥は幸せを運ぶ鳥だからね、きっとしあわせになるよ」とほほえんだ。彼のそばには奥さんらしき人がいて、お弁当を広げている。

もう十分にしあわせなんとちがいますか? と冗談まじりにいうと、ほぼほぼってとこかなと、と彼も弁当をほおばった。だけど、人間というものはもっと、と思うからね、と彼は、おいしそうに唐揚げをまた口にいれた。

するとまた別のグループも寄ってきて、スマホを掲げる。「しあわせの青い鳥だよ」と、また、弁当の彼。わっと声があがるので、こちらは鳥が驚いて飛び立ってしまうのではと、ひやひやした。

この青い小さな鳥は、カワセミという名前の鳥。長いクチバシの上下とも黒いのがオスで、下の部分が赤いのがメス。カワセミもメスは口紅を塗るというふうに覚えておくといいそうだ。

となると、これはオスということになる。そばにいた人の話によると、雛もそばにいるらしい。ここが縄張りらしいのだ。カワセミという鳥は山奥まで行かなくては見られない鳥だと思っていたが、自然の豊かなところであればわりあいどこでも見られるらしい。

光が当たると、コバルトブルーの色が浮かび上がる。大きさはスズメよりも少し大きめ。飛び立つときに羽を広げると、さらに青さがきわだって美しい。とてもその瞬間は写せなかったが。

車で40分くらいの距離で行かれるこの公園では、高い所に昇ると、海もみえる。

晴れていて、富士山もみえた。

「しあわせの青い鳥」はしあわせを運んできてくれるというよりも、見る人をしあわせな気分にしてくれるってことかもしれない。まさか、こんなに近くでみられるなんて。今日は海も富士山も、そしてカワセミまでみることができたから、しあわせってことだ。

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