Touch me

コロナウィルスの問題が、日毎に深刻な状況になってきた。マスクはもちろんだが、人との距離もとらなくてはならない。家に籠ることが多くなる。そんなとき、犬や猫がそばにいると、少しは心がやすらぐかもしれない。

我が家でも、三毛子が元気に動き回っているので、退屈を感じる暇がない。猫の手は化粧道具! と書いたのは、梶井基次郎という作家。たしかに柔らかそうな肉球と、そのまわりに産毛のように生えている毛は、触り心地がとてもよさそうで、化粧道具に使えそうな気もしてくるほどだ。

なので、よく眠っているときなどにそうっと指で触れてみるのだが、まるで感電でもしたように三毛子はびくっとして、腕を引っ込める。なかなかゆっくりとは触らせてはくれない。

起きているときの三毛子はあちこち探検して歩き、ついには本物の化粧ブラシをみつけ、遊びだした。よほど気に入ったらしくて、手で放り投げたり、前脚で蹴ったりして夢中で遊んでいる。おいおい、そのブラシ、高かったんだよう。と言いながら、取り上げようとしたが、あまりに気に入っているようなので、諦めた。

梶井は、猫の耳のことも細かく書いている。一度、切符切りでパチンとやったみたくて堪らないと言っている。ほんとうに、猫の耳はとても薄くて光が当たると、透けてみえるほどだ。

三毛子の右耳には、パチンと切符切りを入れたような跡がある。避妊手術をした証しである桜カットだ。オスは左耳、メスは右耳。桜の花びらの形に似ているから、そう呼ばれている。

その桜の花も散ってしまい、坂道は散った花びらに彩られている。私は型落ちのダウンを安く手に入れ、花冷えの季節に重宝している。残りものには福があるというが、だいたいが派手な色ばかりで選べない。でも、ちょっと桜の季節に合う気もしている。

まる子は、ひさしぶりに木登り。まる子なりに、うれしいときのパフォーマンスだ。三毛子とちがい、サービス精神旺盛。太りすぎではあるけれど、あいかわらず木登りはうまい。

いつもよりも念入りにハウスの掃除をしてやっていたら、自分たちの大切なものが壊されるとでも思ったのか、まる子はそばでそわそわとして落ち着かなかった。終わると安心したのか、木登りを始めた。そしてドヤ顔。

みていると、登るときより降りるときの方がずっと大変そうだ。先日、すぐ近くを大きなイノシシが通って行った。遭遇したときは木に登っているのだろうか。

帰り道、池のほとりで、あまり見たことのないワンコに出会った。アフガンハウンドドッグという名前の犬。寄ってくるほかの犬たちがとても小さくみえる。

赤い布を被っているせいか、なんとなくおばあさんと孫たちというふうにみえた。

家へ帰ると、また三毛子の情熱がはじけていた。電子レンジの上にあるトースターの上にまで登り、蛍光灯の紐で遊んでいる。なんとエネルギッシュ。

遊びに夢中なのもいいけど、もう少しそばに寄ってきてよ、たまにはスリスリしたり触らせてくれよ、と文句をいいたくなる。野良猫を保護した人の話によると、そうなるには2か月くらいかかったとか。気長に待つしかないか・・・。 

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