ナチュラルキャットタワー

おれって、木登りの天才か?
あっちの枝ぶりもいい感じだニャ。
よしっ、行ってみっかあ!

チビの木登り癖が止まらない。丘の上にある何本もの大木は、チビにとって、自然のキャットタワーだ。あっちの木、こっちの木と、登ってはおりて、走り回っている。おもしろくってたまんないって感じ。

ずいぶんと高いところまで登っても、ちゃんとおりてくることに感心するばかりだ。もちろん、生まれも育ちも野良のチビは、キャットタワーなんてものは知らないのだけれど。

その様子をみてまる子は、あたしだって、ちょっと前までは登れたんだけどなあって顔をして、眺めている。丸々としすぎたまる子は、このごろ、チビが木登りしているのを眺めているだけで、一緒に登ろうとしない。

ウォーキングがてら、いろんな人が餌を置いていくから太りすぎたのだ。それからは、自分だけでもと、餌の量や質を変えたり、餌をやるのをやめてみたりするが、なかなか効果はあらわれない。餌をやらないと、かえってほかの人にねだるから始末がわるい。チビは人見知りだから、決まった人からしか餌をもらわないが、まる子の人懐こい性格が災いしてしまうのだ。

里親探しの催しも見学してみたが、今のチビまる子にはハードルが高すぎた。自分のしていることがときどき、空しくなってくる。いつもとは違う道をのろのろ歩いて行くと、ヒジキとアズキが一緒に並んで昼寝をしていた。

鉄板の丸いくぼみはヒジキのベッド。猫鍋だ!

丸いへこみ具合がヒジキにはきっと具合がいいのだろう。アズキがこの中に入っているのは見たことがないから、ヒジキに遠慮をしているのか、嫌いなのか、とにかくこの二匹は、男同士でほんとに仲がいい。そうっと寄り添うように、いつも適度な距離をおきながらそばにいる。そばでは、きれいなトンボが蓮のつぼみに止まっていた。

此方にきて、この指にもとまれよ、トンボくん。

 

蓮は、もう、池を覆いつくすほどに茂っている。暑すぎるせいか、花も元気がない。蓮にはやはり雨が似合う。