庭の片隅に咲いているハナニラの白い花。三毛子が外をみつめる視線の先に咲いている。

こんなふうにおとなしくしているかと思うと、つぎの瞬間にはもうそこにはいない。三毛子は気配を感じさせない猫だ。そして、忍者みたいに瞬間移動する。ここかと思えば、はたまたあちら、という具合。

ときどきこちらの様子を覗く三毛子。テレビに映るものが不思議でしかたがないらしく、

画面を眺めていると思うと、動くものを手で捕まえようとするが、それは無理というもので、なんだか不思議そうに下を覗いたり、裏に回ってみたりする。

くたびれると座布団の上で寝てしまったりもしていた。

保護してから10日あまりで、かなりリラックスモードになっていた。なので、ワクチンの接種とノミダニの薬と爪切をしに、病院に連れて行くことにしたが、キャリーバッグに入れるのに失敗。

蓋がしまる直前にすりぬけて逃げ回った。なんという反射神経の鋭さ。怒りの声をあげる。毛布をかけ、ようやく捕まえる。なんと、一時間近くもかかった。

なのに、病院に行く車の中では声一つあげなかった。処置をしてもらい、一時間ほどで家に帰り、自由にしたが、今度はまた保護したときのように固まってしまい、動かない。餌も食べなければ、トイレもしない。すっかり元に戻ってしまった。

それから丸一日、ほとんど水も飲まなかったが、ようやく、翌日の午後あたりから水や餌を食べだし、徐々に三毛子らしさが戻ってきた。あいかわらず外に出たそうにしているが、以前ほどには騒がず、くうくうと小さな声を上げている。

いろいろひどいことばかりしてごめんな。と、何度も話しかけてあやまったら、通じたのか、わりあい落ち着いて、病院に行く前に戻りつつあるけれど、なかなかまだ、触るまではいかない。

そんなこんなでバタバタとしながらも、公園に行き、チビとまる子にも、ノミダニよけの薬を滴下。まる子はうまくいったが、チビは途中で逃げたし、半分ほどしか入らなかった。餌も途中のまま、草むらでゴソゴソしているので近づいて行くと、なにか動いているものが。

なんと、トカゲのしっぽだけが残っていた。ということは・・・。おまえは、本当に野性の猫なんだね。いずれ、なにかあったら引き取ろうかという考えが吹き飛んだ。いろいろあっても、お前には、きっとここが一番なのかもしれないね。

まる子は餌をもらいすぎていたらしく、今日はあまり食べず、少し食べても吐いてしまい、しばらくうたたね。天気しだい、気分しだいで、適当に餌をばらまいて行く人たちなんかの餌をどうして食べるのか、雨風台風の日でさえ、毎日私が必ずくるのだから、どうして待っていてくれないのかと、うらめしくなる。溜息をついていると、そばによってきて、こんな顔をした。

猫にそんなことを言っても、せんないことだよねえ。

そばでタンポポの花が、うなづいているみたいにほほえんでいる。なんとむなしいことばかりしているのかと思いつつも、やはり、あしたも坂をのぼってくるんだろうな。

そんな私にも、こんなにかわいいクッキーをくださった人がいて、とても癒されたのでした。

 

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