いろいろあるけど、前向き。

右側の羽が、半分ない!
右側の羽の下半分がとれているクロアゲハ

右側の羽の下の部分が完全にないということは、相当にバランスが悪いはずだ。なのに、一見するとそうはみえず、上手に飛んで、ホバリングしながら蜜も吸っている。なんだか、すごい。しばらくみとれているうちに、ずいぶん昔に出会った、片手でシェイカーを振る人のことを思いだした。

その店は新宿にあった。友人らと、興味半分でゴールデン街にくりだし、一人が、いい店があるからと案内してくれた。薄暗くて狭い路地が並ぶ界隈の、さらに奥まったところに木の階段があり、ぎしぎしと音を立てるその階段を上って行くと、ジャズ音楽が流れてきた。

店は狭かったが、壁一面にジャズのレコードが並び、カウンターの中では、バーテンダーがシェイカーを振っていた。滑らかな動きに眼をやると、彼の左腕の肘から下が欠けていた。左肘と右手でシェイカーを抑え、見事に振っている。後ろで束ねた長い髪も一緒に揺れていた。8の字を描くような細やかな腕の動きは美しかった。

右側の羽が半分欠けている蝶は、しばらくすると、意外と高く飛んで遠くへ行った。想像をはるかに超える動きだ。

姫は、オスの猫や子供に追いかけられると、藤の木の幹のこぶに乗って、どうだい、と高見の見物。

ときには、藤棚の上を、悠然と歩いている。これるもんならきてみなさいよ、と言っているふうだ。しつこく追いかけるオス猫のほうがおっかなびっくりで、たいていはそこで諦める。

上から降りてくるとさっそく化粧直し。美はそれなりに手間がかかる。

暑さも少しおさまっってくる夕方、まだら猫のモミジも植え込みから出てきて、夕涼みする。モミ、と名前を呼ぶと、寄ってきて、すぐに転がる。人懐こい。

丘の上は風が通るので、汗だくになって上って行く身には心地よい。

ハーフパイプみたいな形のこれは、チビとまる子のお気にいり。日が陰ってくると、このなかで転がったり、寝たりする。つらい雨が続いたあとで、まる子もほっとしてリラックスしている。後ろの植え込みにはよく蛇がいるが、猫は平気なんだろうな。