もういくつ寝るとお正月🎵 などと鼻歌を歌いながら呑気にかまえて黒豆を煮ていたら、もうすぐ大晦日。慌てたって、もう遅い。暮れまでにと思っていたのに、やり残したことがいくつもあるし、中途半端な片付けもそのままで。
なので、この際はもうジタバタするのをやめて、焼津の魚センターへ行き、少しばかり正月用品を買ってくることにした。
マグロ街道やカニ街道など、通路が四方に伸びていて、居並ぶ店から威勢のいいお兄さんたちが声をかけてくる。冷凍のマグロやホタテなど、スーパーよりもずっと安い。混雑するのも無理はない。歳末なんだなあって感じがする。スーパーにはない、市場のこういう雰囲気が好きだ。
これは鰹節を削る機械。上の丸いところの横に一本カツオを入れると、薄くスライスされた削りたての鰹節がいい匂いを出しながら出てくるのだ。それに、値段が安い! 当然ゲット。
焼津のマグロ丼は有名だ。センターのあちこちにこんな看板が出ていて、昼時ということもあって、どこも混雑。干物などを買って混雑から逃げ出してきた。駐車場はどこも満員。道は渋滞。観光バスがずらりと並んでいた。観光コースの一つになっているようだ。
人間が買い出しやら正月準備やらとせかせかしているときにも、猫たちはのんびり。今年も楽しませてくれた猫たちに会いにお寺さんに行って、少し遊んでもらった。
トラは一番のくいしんぼ。そして、一番人懐こい。
マルは、マイペース。陽があたって気持ちよさそうだね。
マリンは、とてもシャイだ。一定の距離から近づいてこない。
この箱は、住職さんの手作り。猫たちは寒くなると、蓋を頭で押し上げ、三匹で丸くなって入っているのだそうだ。チームワークで冬をのりきるのだ!
忙しそうに動く住職さんを尻目に、マルはなにやら神妙な顔。
横のワンコも必死そう。遊んでほしいんだって。
帰り道、ひさしぶりにニャンコスターに出会った。来年もよろしくね、と声をかけると、別に、と、憮然とした顔。ニヒルな表情は、やっぱりどこか高倉健に似ている。ていうか、しっかりマットの上にいる。
丘の上に行くのが遅くなり、帰るときは明かりがチラチラ。
一つ一つ、にぎやかに団欒を囲む明りや、働く明り、一人ぼっちの明りや絶望に沈んでいる明りなど、いろいろな明りがあるんだろうな。幸せな明りのもとにはそれなりの、沈んだ空気に包まれている明りには、きっときっと、いいことが訪れますようにと思わずにはいられなかった。