~諦めるな、諦めるな~
鬼滅の刃の映画が大ヒットだという。先日テレビで放映されるというので、これはと思い、見てみた。その映像はどことなく郷愁を誘うようなもので、そんなところも、人気の一因ではないかと思う。若い人には新鮮で、年嵩のいった人には懐かしく。
なので、てっきり作者はある程度の年齢の方だろうと想像して調べてみると、驚くほど若い。吾峠呼世晴。31歳、女性? 詳しいことは明かしていない。よく、キャラが立っているのは面白いと言われるが、これはたしかに、それぞれのキャラクターが立っている。
この猫の半纏は、富岡義勇のもの。丹治郎の強い味方になる。
上の猫の写真は、4月22日にアップしたブログに載せた写真。主人公、竈門炭治郎の窮地をたびたび救う富岡義勇のコスプレ猫。公園の坂道ですれちがった人が抱いていた。
そのときまで私は、鬼滅の刃のことを知らなかった。話を聞いてさっそくネットで調べてみると、注目されている漫画のようで、内容もかなり面白そう。それで、気にかけていると、あれよあれよというまにすごい話題になり、映画も大ヒットということに。
もしかして、これも鬼滅の刃のコスプレ? 4月26日、花日和にアップしたもの。登場人物の一人、甘露寺蜜璃の髪型のようで、緑とピンクの三つ編みにしてある。
先日のテレビの放送、那田蜘蛛山(なだくもやま)編で私が注目したのは、我妻善逸というキャラクター。鬼滅隊のメンバーの一員。ふだんは、臆病なうえに、情緒不安定。泣き虫なヘタレ。ところが緊張感が解かれると、俄然、本来の強さを発揮するキャラ。
善逸は蜘蛛に毒を注入され、しだいに意識が遠のいていくそのとき、自分に武芸を教えてくれた師匠の姿を夢想する。そのときのじいちゃん師匠、桑島慈悟郎の言葉が、「諦めるな、諦めるな」なのだ。
公園にいた蜘蛛。模様がすごい。
これまでは、子供や若い世代向けの物語だとばかり思っていたが、実際にみてみると、登場人物たちの世代が広いので、祖父母世代、親世代でも共感できるのだと思う。しかもセリフが心優しかったり気持が込められていたりして、心に響いてくる。
思ったのは、ヒューマンなところがよく出てくることだ。主人公の炭治郎が、鬼にされてしまった妹を連れ、人間に戻すためにさまざな困難や恐怖に立ち向かっていくというテーマもそうだし、対決する鬼たちにも哀しい過去があって、今に至ってしまったという物語が語られる。
どうにもならないほど辛いできごとに出会うときに、諦めるな、諦めるな、とそんな言葉をかけられても苦しいだけかもしれないが、番組が終わってからも、じいちゃんの、諦めるな、諦めるな、という言葉のフレーズは、頭の中で、何度も繰り返されている。
そういえば、うちのじいちゃんも優しかったな。家の床の拭き掃除をしていると、じいちゃんは飴玉を一つくれ、褒めてくれたっけ。
誰の中にも鬼は棲んでいて、その鬼とうまくつきあって生きているというわけで、ひさしぶりに、童話、「泣いた赤鬼」という話を思いだした。一方で、でも諦めることも、一つの救いかなあとも思うのは、やっぱりヘタレなのかなあ?