ウルフムーン

遠くに富士山、丸いお月さんが上に。新年初めての満月は曇っていて見えなかった。これは前日のお月さま。一月の満月のことを、「ウルフムーン」とネイティブアメリカンは名づけた。食料が乏しくなるこの季節、空腹を抱えた狼が遠吠えをする意味だという。

ウルフだけでなく、おなじみの猫たちにとっても、一番厳しい季節だ。それでも、猫たちは元気だ。

お寺のトラとマルは、広い境内をあちこち探索中だった。この清水寺は1200年もの歴史があるそうで、今の住職さんはなんと54代目だそうだ。1200年前といえば、平安時代初期。空海が唐から日本に戻り、高野山に金剛峰寺を建てたころだろうか。

清水寺といえば京都、と思うが、その名の寺は全国にたくさんあって、年に一度、清水寺サミットが開かれるそうだ。

三匹の猫のなかで最も人懐こいトラくんは、名前を呼ぶと返事をして近寄ってくる、賢くも優しい猫なのだ。瞳の色が薄く、澄んでいて、表情が豊か。私はこの猫にいつも癒される。気分が沈んでいるときにも、ほっとする。今年もどうかよろしくね。

動物園のこっちのトラくんは、寝姿も立派だった。

ご近所猫たちもどうやら元気そう。しばらく姿をみないと気になる子。

ご近所の軒先に居候の三毛子。twinsの生き残ったほうだ。いつまでもtwinsのかたわれと呼ぶのは切ないので、三毛子と勝手に名づけることにした。数日前に赤トラの先輩猫と一緒に、ひさしぶりに我が家の庭にもやってきてくれたのだが、すぐに素通りしてしまった。

にゃんこスターは、その三毛子と一緒に歩いていた赤トラ猫とくっついてお昼寝中だった。そうっと近づいて行ったのだけど、警戒した赤トラが隠れてしまったので、なんだか怒っている顔。ごめん、二匹くっついての、せっかくの昼寝を邪魔しちゃったね。

公園の姫は、長年の公園暮しのせいか、生きるすべにたけている。冬場は木の洞にでも入っているのか、崖を登って行くのをよくみかける。そのせいか、こうみえてとても筋肉質なのだ。推定年齢は、8~9歳くらい。

コンクリートの坂道はけっこう足にくるので、たまに違うルートを辿ってみることにしている。舗装されていない細い道を歩いてみると、これがなかなか気持がいい。足の裏が土をつかむ感じがして柔らかな土の感触が伝わってくるからだ。

それに、その道には、公園の池と焼津と藤枝の町並み、さらに駿河湾と伊豆半島までみえるスポットがあって、その先では、ちらほらと梅の花が咲きだしていて、いい香りがするのです。

寒くなると猫たちはおたがいに体をよせあって暖めあう。チビとまる子は、あいかわらず仲がいい。

日暮れが少しずつ遅くなり、帰りは真っ暗ということはあまりなくなってきたが、それでも、下までおりるころにはほぼ暗い。

公園のイルミネーションもあと一か月ほどで終わる。去年と同じことをし、同じ景色をみていても、なにか感じがちがうのはなぜだろう。同じ猫、同じ景色、同じシチュエーションのなかでも、水が流れていくように同じ瞬間というのは二度ないんだよなあ。

 

 

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