星を見る人

寒いけれど、チビまる子のいる丘の上に星空を見に行きたいなあという衝動に駆られる夜がある。池のまわりには照明があるが、坂道の途中からはなにもなく、あたりはまったくの闇だから、きっと、星がきれいだろう。銀河鉄道に乗る夢を見られるかもしれない。

お日様に向かって整列するカモメたち。と思ったら、鳥は風に向かって止まるそうだ。昨日は風が強く、思ったよりも寒かった。カモメたちの下では、カモが潜水中。カモにもいろいろ種類があるらしい。

動物園でみたカモならぬガチョウは、いたずらが好きそうだった。食べ散らかしたキャベツ(?)をみて、なにか溜息でもついているような・・・。

こんな色模様のヤギもいて

ミーアキャットがのぞき見してた。

猫にかぎらず動物はとても表情が豊かで、愛くるしい。ほほえましい。どうして人は、年を経るごとにそういったものをなくしてしまうのかなあ、と思うことがある。

めったにいないが、顔をあわせた瞬間に相手の弱みを突いてくる人がいる。思ったことをズバズバと言う。たとえば老けたとか太ったとか、去年もおんなじ服を着ていたよね、とか。彼女の辛辣な視線は、われとわが身の姿を鏡にして映しだす。

べつにいいじゃん、それで。よけいなお世話。と思うが、できればそんな人とはあまり関わりたくない。けれど、犬も歩けば棒にあたるということで、会ってしまうこともある。うまくかわそうとするが、相手もなかなか手ごわくて、無事に放してはくれない。尖った矢を放たないことには、気がすまないようで。

そんなとき、動物を眺めていると、心が穏やかになってくる。このあいだは動物園日和だったが、暖冬とはいえ、このごろは風が強い。風が強い時には、まる子は風よけになるものをすばやく探す。

チビはといえば、なぜか、私たちが行くと、必ずトイレをはじめる。ほっとするのかな?

しかも、いつもトイレ案内の看板のすぐ近くだ。この先の道は、ときどき立ち寄る、お気に入りの猫たちがいる清水寺に通じるハイキングコースとなっている。

一度、花火大会のときに、公園内が立ち入り禁止になるので、こちらから入ろうとして山道を辿ってきたことがあったが、整備されていないうえに、イノシシよけの電線が張られていて、とても難儀したから、それからは、その日の餌やりは諦めることにした。

無理をして行っても、花火の業者やトラックが出入りしているから、猫たちは怖がって出てこないだろうし。

昨日の夕日は、まるで火の玉のように燃え盛っていた。冬なのに、冬だからこそ、熱く赤く。

帰るとき、坂道からみえた、まる子の耳。

風をよけてとっぽりと丸く、まる子の形に、枯れた草はまあるい窪みとなっている。

さらに坂を下って行くと、本格的なカメラと三脚をもった男性に出会った。「きょうは、星がよくみえると思って上は、見晴らしがいいから」そう言って、男性は、厚手のコートを着込んで、すっかり暗くなった坂道を上って行った。

たくさんの荷物を持った後ろ姿をみながら、ほんとに世の中にはいろんな人がいるんだなあとしみじみ・・・。人の心に矢を放つ人もいれば、寒い夜に、ひとり星をながめに行く人もいる。星の数ほどに、人ってさまざまだ。

 

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