雪月

2月の満月は、スノームーン。そのまんま雪の月。明るい月が昇り始めた山には、雪がないけれど、やっぱりスノームーン。今日の満月は金色。すばらしかった。

雪の重みは半端ない。雪下ろしをしないと、家がおしつぶされる。木の枝が折れる。それでも雪は神秘的な魅力を持っている。

このごろ、公園は混んでいる。なぜかっていうと、ポケモンゲームをする人が集まるからだ。早咲きの桜が頭上にあっても、みんなスマホばかり覗いて必死に指を動かしている。スマホが壊れるんじゃないかと思うほど画面を叩き、老いも若きも画面に夢中だ。

スマホを片手の、下ばかり見ている人をよけながら歩いていると、ひさしぶりにケンの姿。いつものコンビだ。ひさしぶりだね、ケン。なんだかおとなびたね。

あいかわらずケン座りをしている。ちょっとくたびれたらしい。私が公園に行く時間がこのごろ遅いので、それで会わなくなったのかもしれない。おやつをあげて少したつと立ち上がり、ケンと飼い主の絶妙なコンビは立ち去った。

こちらも少しおとなびてきたようだが、餌を食べたあと、遊んでほしそうにし、気を引く。要望に応え、遊んでやっていると、体がどんどん冷えてくるのがわかった。そのうち、東の山のほうが明るくなってきて、みるみるうちに、大きな赤い月があらわれてきた。天空に昇るにつれて色も大きさも変化。

「チビとまる子のおかげでこんなすばらしい月をみることができたんだあ」。そう言うと、二匹はきょとんとした顔で、古墳のかげのほうへ歩いて行く。

「寒いから、ねぐらに帰んな」、と声をかけて坂道をくだりはじめると、二匹は古墳の上の小高いところからこちらを眺めている。見送っているのかなあと、少し切なくなってくる。坂をおりたときの気温は4度。この冬一番の寒さだ。厚手のダウンを着ていても背中が寒い。

 

 

 

 

 

 

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